2016.12.27

Ideal and reality

美しかった筈のコンセプトカーが、無事に市販化されたけど、何かが違う。そういう事ってありますよね。例えば Concept Style Coupe と1年後に市販された CLA 。

上がコンセプトで下が市販版ですが、全体的なデザインの美しさ、バランスなどが圧倒的にコンセプトカーの方が良い。でも全く違うデザインかというと、そんな訳でもない。確かに非常に似てる。

でも、そこにマジックがあるんですね。

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まず何より全体的な造形の立体感がコンセプトカーの方が表情豊か。市販版は製造コストも考慮するのでプレスもより簡単な形状に簡素化されているのでしょう。そして塗装のクオリティが全く違うし、ホイールの大きさ、デザインも全然違います。

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サイドウインドウもコンセプトは相当にガラス面積を小さく薄くしてますが、市販車になると縦に拡大。ヘッドラライトの形状も全く違うし、サイドミラーも法規をクリアできない形状ですね。

後ろから見ると、コンセプトはトランク容量も無視できるのでトランクリッドの形状も非常に優美。テールランプのクオリティ、LEDの使い方も全然違う。車高も市販車ではあり得ないレベルに落としてあり、かつツライチなホイールセッティングです。

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ですが、実は重要なのはサイズです。

全幅1,891 ×全高1,398 x全長4,637mm(CONCEPT)

全幅1,780 ×全高1,440 x全長4,645mm(CLA180)

そう、市販モデルよりコンセプトカーは車幅が11cmも大きいんですね。クルマのスタイリングにおいて幅はもっとも重要な要素。カローラサイズのクーぺをどんなにデザインしてもフェラーリやランボには決して見えません。それは幅が小さいからです。つまりコンセプトカーは全長に対して、あり得ないくらい幅広で背が低く、作ってある。実に巧妙です。

もちろん、コンセプトカーの役割とは新しいデザイン的な提案を形として見せる事な訳ですから、市販車と違ってベストに見える姿で見せるのは当然と言えば当然のこと。だけど現実にそれが市販化されるときは、厳しい現実の条件の中で作り直されて平凡な姿になると。

ひとつのデザイン。その理想と現実の姿。そういう事なのでしょう。

 

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