2015.12.14

PATEK 3970/5004

このところヴィンテージロレックスのあまりの高騰に比べると、やや人気も落ち着いて見えるパテックフィリップですが、ロレックスとは全く違う魅力があると思います。

クロノグラフの Ref.3970 は 1986年から2004年まで18年にわたって生産されたモデルで、現代の一般的な時計の常識からするとかなり小さい文字盤が特徴。でも、この小ささ故に凝縮された高級感が出るんですね。

 

 

 

ケース素材もYG,RG,WG,PTとあり、文字盤も多くのバリエーションがあります。このサイズに永久カレンダー機構を搭載したのも見事ですが、やはりクロノグラフのデザインがこの小さな文字盤の中に、最高にバランス良く綺麗に収まっている事で独特の美しさになってる印象。

そして、さらに時計好きを悩ませるのが、この3970にスプリット機構を追加した5004という上位モデルを兄弟のように設定した事。そしてその 5004だけがアラビア文字盤と呼ばれる凝ったデザインの文字盤を選択できるという。

この2本、よく見てください。

文字盤のサイズは全く同じですが、針の形状、針の表面光沢仕上げ、インダイアルの数字のフォント、数字のサイズ、外周サークルの数字の向き、文字盤自体のブラックの色調、ブランドロゴの大きさ、すべて違う。それによりこの2本は全く異なった印象を持っています。

文字盤ひとつとっても、こういった細かいディティールを疎かにしないこだわりを長い歴史に積み重ねてきた事で、PatekPhilippe のブランドイメージは構築されてきたのだと思います。

Ref.3970EP black dial w/ diamond index

Ref.5004EP black arabic dial

この時代のパテックのクロノグラフはこうやって並べた時に、独特の雰囲気がありますね。美しいケースと細い革ベルトとのマッチングの妙と言いますか。

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Patek Philippe