2016.02.28
めくらやなぎと眠る女
短編集って大きくわけて2つあると思うんです。「オチがない作品も多く、謎もすべては示されず、雰囲気や文書で読ませる作品」と「すべての短編に明確なオチがあって切れ味を楽しむ作品」と。僕はどちらも好きですが、前者の方が定期的に読み返したくなりますね。
前者の代表と言えば「めくらやなぎと眠る女」。村上春樹の短編集の中ではこれがベストかな。表題作は初めて読んだ時はピンとこなかったけれど、今ならわかります。解りやすい作品としては「偶然の旅人」「僕らの時代のフォークロア」「品川猿」などの良くも悪くも著者の代表的な短編も収録されてますしね。ただまあ、アンチの人はまさにこの文章が嫌なんだと思います。それも、凄くわかりますけれど。
後者の代表的作品といえばディーヴァーの「ポーカー・レッスン」かな。16作品すべてが素晴らしいクオリティ。これだけのネタをたった1冊に惜しげもなく使い切るのは大御所の余裕という感じですね。この中で、いちばん好きな作品をあえて挙げるなら「36.6度」かな。
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