2016.03.11

リーバイス®501®をカスタマイズするということ。坂田真彦の場合。

リーバイス®が個人向けのカスタマイズサービスを展開していることをご存知だろうか? 『リーバイス® ストア 新宿』の3階に常設されている『テーラーショップ』では、専任のテーラー職人とじっくりと話しながら、世界中のどこにもない自分だけの一本をつくることができる。リーバイス®のファンにとっては夢のようなサービスだが、それはデニムカルチャーへの造詣が深い坂田真彦氏の目にどのように映るのだろうか? 実際に体験してもらったうえで、インプレッションを語ってもらった。

Photo_Osamu Matsuo | Text_Shuhei Sato | Edit_Issey Enomoto

坂田真彦/アーカイブ&スタイル代表

1970年生まれ。数々の人気ブランドのディレクションを務める一方で、2006年から13年までビンテージショップ『アーカイブ&スタイル』のオーナーを務めるなど、大の古着好きとしても有名である。

501®1933年モデルをベースに、シルエットを大胆にアレンジ。

——坂田さんはリーバイス®がカスタマイズサービスを展開していることをご存知でしたか?

「はい、以前に利用したことがあります。そのときは、シルエットに変更を加えず、“スーベニア”をテーマにスカジャンのような刺繍を入れてもらいました」

——今回はどのようなカスタマイズを考えていますか?

「シルエットを大胆にアレンジしようと思っています。以前はあえて昔ながらのシルエットのまま、サイズやコーディネートで今っぽく見せるのが楽しかったのですが、今はちょっと気分が違う。ベーシックなものやミニマムなものがもてはやされている時代だからこそ、逆にヒネリのあるリーバイス®レッドのようなシルエットが気になっています。太めのストレートを膝下から立体裁断のように斜めにテーパードさせて、裾は前後で段差をつけたカットオフで仕上げたいと思っています」

——ベースのモデルはどれを選びますか?

「腰周りに余裕があったほうが裾のラインが際立つし、ほどよいドレープ感も欲しい。そうなるとリーバイス® ビンテージ クロージングの戦前のモデルが、適度にオンスが薄いですし、もともとはワークウエアのため太めのシルエットでちょうどいいかなと。ただ、デイリーユースを考えると、ベルトループが付いていたほうがいいので、501®の1933年モデルにしようと思います」

——たしかに、ビンテージらしい意匠が詰まったモデルをベースにすることで、坂田さんが考えていらっしゃるカスタマイズが際立ちそうです。

「かつてのリーバイス®レッドでも、バックシンチをうまくモディファイしているんですよね。バックポケットの剥き出しのリベットや、シングルでのアーキュエイトステッチなど、ビンテージ特有のディテールが逆に活きるかなと思います。裾幅は、今のテーパードシルエットでは主流になっている17センチに。ベースのシルエットがゆったりとしているので、ジャストサイズで穿いてもヒップ周りに余裕があり、自分が意図するシルエットをうまく表現できそうです」

カスタマイズの内容は、デニムに精通したテーラー職人とマンツーマンで相談しながら決めていく。

坂田氏の細かなリクエストが記されたオーダーシート。

カスタマイズのメニューは実に豊富。まずは好きなモデルを選び、そこにテーパードなどのシルエットの変更ができるほか、ダメージ、ハンドステッチ、クリースなど様々な加工を施すことが可能。納期はカスタマイズの内容にもよるが3〜4週間程度。

 

リーバイス®をカスタマイズできるのは、究極の贅沢。

オーダーから約3週間後、カスタマイズしたデニムが坂田氏のもとに到着した。

501®XX 1933MODEL ¥30,000、カスタマイズ テーパード ¥5000〜

1933年モデルが坂田氏の感性によってモダナイズされ、「太めのストレートを膝下から立体裁断のように斜めにテーパードさせて、裾は前後で段差をつけたカットオフで仕上げたい」という狙い通りの一本が完成した。当の坂田氏にも感想を聞いてみよう。

——ご自身でカスタマイズしたジーンズ、印象はいかがですか?

「とても気に入っています。完成されたアーカイブに自分の感性を入れて、また新しいものを作るというのは、デザイナー冥利に尽きますし、楽しいですね。デザイナーって自分を含めて“本物”をイジりたいという気持ちが根底にあると思います。実際、著名なデザイナーの方々が古着をリメイクしているのも、そういう気持ちがきっとあるはずです」

——どのようなコーディネートを想定していますか?

「くるぶしくらいの丈にしたので、足元はハイカットのスニーカーでもいいし、これからの季節はサンダルを合わせてもいいですね。トップはパンツを引き立てる意味でも、逆にシンプルでいいかな。ニットやカットソーでちょっと緩く着るのが気分です」

——リーバイス®のカスタマイズサービスを体験してみて、どのように感じましたか?

「世界一のジーンズブランドであるリーバイス®で自分だけのものを作れるというのは、究極の贅沢だと思います。細かいところまで要求に応じてくれる懐の深さも素晴らしい。そしてそれは、伝統に裏打ちされた優れた技術力があるからこそできること。リーバイス®のデニムに対する真摯な姿勢とジーンズブランドとしての底力を改めて感じました」

 

なお、このカスタマイズサービスを利用できるのは、日本国内では『リーバイス® ストア 新宿』の3階に常設されている『テーラーショップ』のみ。海外ではニューヨーク、サンフランシスコ、パリ、ロンドンの各ストアで展開されている。自分だけの一本をつくりたい人はトライしてみてはいかがだろうか。

 

『リーバイス® ストア 新宿』

東京都新宿区新宿3-29-12

Tel.03-5363-4501

 

リーバイ・ストラウス ジャパン

levi.jp

 

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