今回のジュネーブのオークション。前評判ではそこまで高騰しないのでは予測する向きもあったけれど、全体的に相場はさらに上昇傾向となりました。

オークションハウス的にはやはり躍進が目覚ましいPHILLIPSのオークションが出品リスト、当日の熱気、リザルト、すべてにおいて時計分野においてのトップの地位を不動のものにした印象でした。もちろんクリスティーズも存在感を示していましたが、PHILLIPSの熱気にはそれを上回るものがあったと思います。

また全体的な傾向としてモデルのヒエラルキーよりもコンディションの良いものに人気が集中してる傾向が強く、コンディションの差による価格差が同じモデル間でも大きく開いている傾向が強まりました。リファレンス的に人気のモデルでも文字盤のコンディションが良くないと、会場では誰も入札しないというケースも散見されました。

とは言っても、コンディションが良い個体は数が少なく値段も高いので、コレクター側としても、どういう時計を自分は求めているのか改めて考察する事が重要と言えるでしょう。

ROLEX 6239 DAYTONA “The Doctor”：1,085,000CHF

数本だけ作られたというパルスメーター付きの通称 “Doctor”という名のデイトナ。シルバー文字盤にシルバーベゼル。2LINEにDAYTONA表記なし。その中にブルーが際立つ独特のルックス。世界に数本というその希少性が評価されこの結果に。

ROLEX 6241 DAYTONA 14K Coppertone：185,000CHF

6241金無垢のインダイアルがブラウン化した、通称コパトーン ダイアル。ノンオイスターの通常文字盤の金無垢モデルとしてはかなりの高評価。

ROLEX 5513 underline double swiss：137,000CHF

5513としては非常にレアなアンダーラインのダブルスイス表記。5512の4ラインアンダーラインに匹敵する落札結果。EXPダイアルを除けば、5513としては最高レベルのハンマーといえるでしょう。

ROLEX 6240 DAYTONA “Oyster Alpina”：281,000CHF

6240でかつノーマル文字盤で OysterDownという、これまであまり存在が知られてなかったタイプの文字盤。レアであっても、一見して通常の文字盤と違いがわかりにくいため、結果がどうなるか注目されましたが、結局は6240のトップレベルの結果に。

ROLEX 6200 SUBMARINER：293,000CHF

サブマリーナのひとつの頂点であるEXP3-6-9文字盤を持つ 6200。その中でも今回のは文字盤はSUBMARINER表記なしで、刻みなしベゼルのタイプ。表記が少ない事により他のサブとの違いが際立ち6200感が強くでる仕様ですね。ミラーの艶は少なめでしたが、全体的には綺麗な1本でした。

ROLEX 5512 SUBMARINER：197,000CHF

ここのところ一気に注目が集まっている5512の外周ドットのEXP3-6-9文字盤。5513の普通の外周トラックのEXP文字盤は 数が少ないといっても市場で結構見ますが、この外周ドットのタイプは非常に数が少なく、独特の雰囲気をもつため注目のモデル。6200とはまた別種のオーラがあったのも事実で、今後ひょっとするとさらに高騰する可能性のある１本。