Skull Edition
さて、今回の日本での展覧会の主役の1つでもあるキャンバス油彩の SKULL 。彼の作品の中でも10本の指に入る名作ですが、これが描かれたのは1983年。これは実はリヒターの自宅に飾られていた作品なんです。
Skull 1983 (548-1) , Oil on canvas(東京国立近代美術館で展示中)
Thomas Struth が 2002年にリヒター家族を撮影した写真作品があるんですが、こちらに、SKULL がハッキリと写っていますね。アクリルの額もそのままです。ちなみにこの作品はグッゲンハイム美術館にあります。この時リヒターは70歳。しかしこの写真、さすがStruthです。色合いといいなんとも雰囲気があります。
Thomas Struth “The Richter Family 1, Cologne” 102.2 x 161.3 cm
おそらく東京国立近代美術館で展示してる状態と同じアクリル額。
そしてここからが今回の本題ですが、このSKULLには実はひっそりと作成されたEdition作品があるんです。油彩が描かれた 1983年から、34年の時を経た2017年に制作されました。その時は リヒターのweb にも、そっと掲載されて、作品画像も未だ未掲載。
2017年 4月 に エッセンのフォルクヴァング美術館で開催されたリヒターの Edition作品だけの展示会の時に、ファンドレイジングの一環として 28点(+AP7) だけ作られた作品だったようですね。豪華な作りだっただけに当初から4万ドル前後で 販売されたようです。作品の少なさを考えると、主に行き先は美術館の関係者だけだったのかも。
その作品がこちら。油彩のスカル(CR548-1) を撮影した写真をガラスに圧着し、表面をミラー風に仕上げた感じの作品。元の油彩とサイズも全く同じ55x50cmです。こちらがエッセンでの展示会で2点並べて飾られた時の写真。スカルがうっすら見えながら、周囲が映り込みます。
少し遅れて、日本にも1,2点だけですが、来てました。それがこの作品。撮影しても伝わりにくいので、どこかで見るチャンスがあれば、見てほしい作品です。オリジナルと違う別の魅力があるEditionといえると思います。
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