6239 のある時期に ごく僅かだけ製造された 医療従事者向けの 通称”Doctor” と言われるデイトナ。その金無垢ケースの”Crazy Doctor”と言われる時計が 5月のPHILLIPS ジュネーヴに出てきます。

この個体はエリック・クラプトンが1990年代にイタリアで購入し、かつて 2003年にオークションで売却されたもの。それから長い時を経て表舞台に出てきましたね。PULSATION（脈拍）測定のための目盛がある特別なデザインではありますが、ポールニューマンのように派手なデザインでは無いので、非常に「通好み」な時計と言えるかもしれません。デイトナには珍しいブルーの文字が入っているのが効いてますよね。デイトナの歴史という意味でも非常に重要なモデルで、Legendary Watch の1つだと言って良いと思います。1.6ミリオンあたりのハンマーが期待されているようですが、今回 個人的にはもっと行くと思いますね。

去年から続いていた 現行系の高騰にここ最近は明らかな翳りが見えてきました。現行のデイトナ (116500LN)についてもハッキリと一時よりは値下がりしていますし、ノーチラスも相場は確かに高いままですが、その値段では全く売れておらず 国内でもほとんど動いていない印象。高く買い取っても 売れないですから 買取もやめているところが多いようで、ちょっと先の読めない感じになりつつあります。現行系の人気は続くとは思いますけど、過度に高騰した相場には大きな調整（つまり下落）は入ると思います。逆に 一時は元気のなかったビンテージも、TIFFANYやポールニューマンを中心に ここのところ 良くなっている感じもあります。

こういった時にどう動けば良いのかは難しいものですけど、大事なことは「自分の本当に好きなものを買う」という事に尽きると思います。自分がその時計を本当に好きでなければ「市場価値の乱高下」に結局は 振り回される事になりますから。