EQS580 4matic+
ついに正式発表されたEQS。電気自動車としてのSクラスという位置づけであり、メルセデスの総力をあげてリリースしてきた印象ですね。今までのEQCやEQAは、あくまでも GLCやGLAなどの既存のガソリンモデルのフォーマットを使って電動化に仕立てたようなモデルでした。今回のEQSは 電気自動車専用の新しいアーキテクチャ 「EVA」を採用した最初のモデルで、その成り立ちから大きく異なります。
グレードは「EQS580 4Matic(523ps)」と「EQS450(333ps)」の2種。eATSと呼ばれる電動パワートレインをEQS450ではリアに、EQS580ではリアに加えてフロントにも配置。0-100km/h加速は4.3秒。ローンチモデルのEdition1は2トーンの仕様で、フューチャー・クラシック感をうまく演出してますね。マイバッハでの塗り分けを筆頭に、今後メルセデスは2トーンを効果的に多くのモデルで使ってくるでしょう。
興味深いのはサイドから見たときに、この塗り分けの境界線が 真っ直ぐではなく 一度あえてフロントフェンダーに落としているとこと。これは恐らく、コンセプトモデルの雰囲気を継承したかったのではないでしょうか。今回の境界線を一直線にしたらフェンダーに干渉しないデザインになってしまうので、オリジナルのコンセプトの塗り分けラインがフェンダーをまたぐデザインに拘ったのでしょう。確かにコンセプトを斜め後ろから見たときに、塗り分けラインがフェンダーに吸い込まれていくある種の美しさはありますね。
基本モデルはワントーンとなるようで、こちらはシンプルなイメージ。全長が5,216mとSクラスのショートとロングの中間の長さくらいあるので、このルーフラインならば居住空間はかなり余裕があるのではないでしょうか。ドライブシャフトも無いわけですし。
全幅は1,926mmと、新型Sクラスとほぼ同じ。全高1,512mmは僅かに高いくらい。ロールスやベントレーやレンジローバーが軒並み全幅 2,000mm 近い数値となった今では、1,926mmというサイズはもはやこのクラスとしてはコンパクトなのかもしれません。内装はすでに発表されていた通り、ハイパーモニター採用(通常の液晶パネルの廉価モデルも用意される)で こちらはかなりセンス良くまとめられていますね。航続距離は770kmで、電池の耐久性についても10年または25万kmまで70%の残量を保証しているのだとか。1.5mまで近寄ると自動でドアが開くコンフォートドアという機構も新しい。
2022モデルとしてのリリースでしょうから、欧州や北米で年内。日本では早くて来年春以降のデリバリというところ。インフラの遅れがこのままだと、日本ではそこまでの数を売れないと思うので、結局のところしばらくの間は、主戦場は欧米と中国いうところでしょうか。
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