2020.02.23

ライフスタイルへも拡張 MONCLER GENIUS2020年秋冬コレクションの全貌

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”ONE HOUSE, DIFFERENT VOICES1つのメゾン、異なるボイス)をメッセージを掲げる「MONCLER GENIUS(モンクレール ジーニアス)」。2020年秋冬シーズンの発表では新たにJW ANDERSONJW アンダーソン)が加わり合計9ブランドで新たな章の幕を開ける。219日にミラノで開かれた新作発表では、1,000平米からなる会場の中でRIMOWA(リモワ)やコペンハーゲンで設立された電気自転車ブランドMATE.BIKE(メイト バイクなども加えた各ブランドが、それぞれ異なるビジョン、コンセプトでインスタレーションを行った。ファッションだけではなく、ライフスタイルへも拡張し続けるモンクレール ジーニアス、その第4章の幕開けをレポートする。

Photo & Text_Shoichi Kajino Text_Mio Koumura

1 MONCLER JW ANDERSON – 1 モンクレール JW アンダーソン

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Jonathan Andersonは「ノンバイナリー エレガンス」をテーマに掲げる。ショーでは大樹のような空気柱が揺れる円形のステージを男女のモデルたちがやや早足で行き交う演出で、男性でも女性でもない、第三の性を表すノンバイナリーの要素とモンクレールが持つ機能性と抽象的な要素を融合。自身のアーカイブコレクションをベースに、シグネチャーとして用いたドットとスパイクをダウンアイテムとして落とし込むなどし、エレガンスを潜ませた。

2 MONCLER 1952 – 2 モンクレール 1952 womens

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Veronica Leoni(ヴェロニカ・レオーニ)は「洗練されたフェミニニティ」をテーマにモンクレールのアウトドアの要素を本質的なフェミニンへと再解釈。ピンク褐色の土山が印象的な空間で、ウールやデヴォレ・ベルベット、ナイロンツイル、ダイヤモンドキルティング、ニットといった質感のある素材によるアイテムをレイヤーすることで、実用性のあるフェミニニティを提示した。

2 MONCLER 1952 – 2 モンクレール 1952 mens

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Sergio Zambon(セルジオ・ザンボン)が今季注目したのはロサンゼルス。現地で活躍するアーティストと協業し、グラフィカルに描かれた巨大パネルやオブジェを並べるなどローカルの今のムードを会場へと持ち込んだ。コレクションでは、プレッピー、ヒッピー、パンクといった70年代のポップカルチャーの要素をミックスした抜け感のあるスタイルが特徴。

3 MONCLER GRENOBLE – SANDRO MANDRINO – 3 モンクレール グルノーブルサンドロ・マンドリーノ

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「パフォーマンスを第一に考えるマウンテンギアを提案したい」と語るSandro Mandrino(サンドロ・マンドリーノ)。プレゼンテーションでは天井から横向きに吊るされた白いダウンを着たモデルを鏡で映し出すという異空間を創造し、来場者を驚かせた。一転、コレクションではレイヤード、カラフル、柔軟性、多目的性をキーワードに、多彩な色彩やグラフィック、マットとシャイニーなファブリックを織り交ぜ、賑やかなコレクションに仕上げている。

4 MONCLER SIMONE ROCHA – 4 モンクレール シモーン・ロシャ

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Simone Rochaは、ヴェルヴェット生地を贅沢に使用した真紅のテントの中で、今シーズンのショートムービーをミニシアターさながらに放映。「モダンロマンティシズムの躍動」をテーマにした今シーズンは、イタリアの映画監督であるフェデリコ・フェリーニの作品が着想源。映像化したダンスとドレスのファンタジーを、刺繍やエンボス加工、プリントへと落とし込み、超軽量なチュールをフリルとして取り入れるなど、アクティブな要素も意識した。

5 MONCLER CRAIG GREEN – 5 モンクレール クレイグ・グリーン

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「モンクレールが持つ科学的な側面からインスピレーションを受けた」というCraig Greenの会場は、マイクロリップストップナイロンの超軽量で丈夫さを見せる仕掛けなど実験室のような空間。テーマは、「トランスペアレンシー(透明性)とプロテクション(保護)」。「2Dから3Dに至るまでの平らなファブリックから服としてのボリュームを構築する過程を活用した」という平らなキルティングジャケットなど、コンセプチュアルな提案は健在だ。

6 MONCLER 1017 ALYX 9SM – 6 モンクレール 1017 アリックス 9SM

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Matthew Williams(マシュー・ウィリアムズ)手がける1017 ALYX 9SMのテーマは「マウンテンの都会的な探索」。ガーメントダイ(製品染め)の探求により見出されたくすんだカラ ーパレットとブラックをベースに、リサイクルナイロンなどのオーガニックファブリックを取り入れながらもインパクトのあるアクセサリーでモダンなガーメントへと仕上げている。会場では、巨大パネルをキャンバスに垂直にプリントできるインクジェットにルックをプリントしていく様をインスタレーションに採用した。

7 MONCLER FRAGMENT HIROSHI FUJIWARA – 7 モンクレール フラグメント ヒロシ・フジワラ

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テーマは、「継続的な文化のプログレス」。「モンクレールは山への敬意というメッセージからブランドが始まったように、新しいスタンダードを作りたかった」と語る藤原ヒロシのブースには、複数の光の線が交錯する鏡の空間が出現。バックにプリントされるスローガンや、アメリカのファンクアーティストKool & the Gangのグラフィックなど、360度から楽しめる仕掛けとなった。前シーズンから引き続きタッグを組んだポケモンとの合同プロジェクト「THUNDERBOLT PROJECT(サンダーボルト プロジェクト)」に加え、Lewis Leathers(ルイスレザー)やCONVERSE(コンバース)、RAMIDUS(ラミダス)と製品作りも加わり「7 モンクレール フラグメント ヒロシ・フジワラ」の世界をさらに拡張した。

8 MONCLER RICHARD QUINN -8 モンクレール リチャード・クイン

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60 年代と宇宙時代のダイナミックな感覚を融合したいと考えました」と話すRichard Quinn(リチャード・クイン)のコレクションテーマは「リュクスの拡大」。シグネチャーでもあるカラフルで力強いプリントは60年代な雰囲気一色。ビジューや刺繍を大胆にディテールとして取り入れ、ヘッドピースまでデザインすることで頭の先から足元まで、豪華絢爛でエネルギッシュなスタイルを作り上げた。

MONCLER RIMOWA “REFLECTION” – モンクレール リモワリフレクション

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プロダクトの分野へも拡張するモンクレール ジーニアス。RIMOWAはデジタルコミュニケーションの領域をフィジカルな分野へと広げ、カスタムビルドアプリを使用するこ とで自分の考えを映し出ることができるLEDスクリーンを装備した。

MONCLER MATE.BIKE – モンクレール メイト バイク

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MATE.BIKEは、エントランスの大樹に真っ白なe-バイクを装飾したインスタレーションで人々を。お出迎え。山と雪の極端な地形に対応できるハイスペックな機能に、折り畳み可能なダウンを装備したe-バイクを発表した。

MONCLER POLDO DOG COUTURE –モンクレール ポルド ドッグクチュール

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2シーズン目となるモンクレール ポルド ドッグクチュールでは、多彩なカラーバリエーションに加え、ナイロンジャージーメッシュに100%シルバーフィルムを配した超軽量のリフレクティブジャケットが登場。プレゼンテーションでは宇宙のトリミングセンターのような空間で出迎える犬たちも来場者を和ませた。

 

 

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Others (Clothing)