955 Cayenne
新しいモデルの初代型のデザインって、うまく言えないですけど「初めてだったからこそのちょっと不器用な感じ」が出てると思うんですね。
例えばカイエン。初代のこの955。
まず外観ですが、ポルシェの形をSUVに着せるのに非常に苦労してますよね。やたら戦闘的なバンパーなのにヘッドライトとかファニーですし。バンパーのグリル形状も全て曲線で、深海魚的だし、何か変。でも確かにリアも個性があった。ポルシェのSUVはこうなんだ、という。今見ると非常にキャラクターのある良いデザインだな、と。
そしてこの内装とかも今見たら、やはり少し変ですよね。センターコンソールもステアリングも過度にデザインしようと、ちょっと頑張ってる感じというか。でも、そこが良いというか。
で、これがその後になっていくと、初代モデルが売れた事により新型は失敗できないビジネス・プロダクトとなり、どんどん洗練されていく訳です。
もちろん新しいモデルの方が豪華だしセンス良くまとまってるんですけど、変なクセのない「広告代理店的なグッドデザイン」になってしまうというか。また、新しいモデルになればなるほど最初から他のモデルとのパーツ共用を考えて作られるから既視感のあるデザインになっていく要素もあるでしょう。
そう考えると、初代モデルっていうのは実験的であり、不器用さもあるちょっと面白いデザインが多いのかなと。
そういう意味でいうと、今見たら、この辺りの初代モデルの内装も実はデザインが良かったんじゃないかなって思うんです。
986 Boxster
W219 CLS
特にこの初代CLS、ウッドパネルの真ん中のあの位置にエアコン操作パネルを置いて違和感が無いっていうのは凄いな、と。
このシンプルな美しさ。今のメルセデスのインテリアが失ってしまったモノの全てがここにはあったと思います。
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