2015.12.27

時計じかけのオレンジ(完全版)

言うまでもないけど、この作品は映画版があまりにも有名になりすぎて、原作が忘れ去られた作品のひとつ。

1962年に英国ハイネマン社から出版された「A Clockwork Orange」には問題となった第7章がありました。この7章はアレックスが結婚して家族を持つのもいいなと考え始めるという極めて短い章なのですが、アメリカで発売されるときにアメリカの出版社が(残虐性が薄まるという理由で)7章のカットを求め、7章はカットされて発売されたという経緯があります。

キューブリックはこの7章無しのバージョンを元に映画化(おおむね映画は原作通りである)し、日本で1980年に出版された旧文庫版にも7章は無かった。

もちろん、この7章がないほうがエンターテイメント性が高く、キューブリックの判断は間違ってなかったと思いますが、原作を読むという意味では7章ありの完全版も、悪くないと思います。

僕は映画版は大好きですが、この7章があったからといって、本として読むならアレックスのイメージが壊れた、というような事はなかったかな。

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