2018.04.29

BE-1 / PAO / FIGARO

1986年から日産が立て続けにマーチをベースに製造 販売したパイクカーというものがありました。現代でいうところのリ・クリエイションカー、つまり新型MINIやニュービートル…の嚆矢とも言える企画。ただし日産は他社のレトロカーをモチーフにしていたから、自社の過去の名車を復刻させる現代のそれとは異なりますが。当時としてはスタイリングの面白さだけで、どこまで魅力的な車が作れるのかというマーケティング上の挑戦であったのかもしれません。

1986年に最初に作られた Be-1。スタイリングモチーフは一応、当時のローバーMINIだったのかな。そんなには似ていないですけど。限定10,000台で抽選となりプレミアムもついたりしましたね。当時の新車価格は129万円。

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そして次に88年のPAO。これは明らかにルノー・4(キャトル)がモチーフですね。デザインとしては非常に上手くまとめており、非常に凝ったつくり。こちらは3か月の受注生産だったため50,000台ほど生産されました。デザインの完成度はBe-1よりかなり上という印象。当時の新車価格は138万円。

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そして91年にフィガロ。これは明確なモチーフを持たず、色んなレトロなデザインエッセンスをミックスした感じで、高級感を合わせ持つ雰囲気がありました。ある意味、オリジナリティがあったと言えなくもないのかもしれません。20,000台が生産で、当時の新車価格は187万円。

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これらの全ての車のベースは当時の日産マーチ(K 10)だった事を考えれば、この3車種がいかにベースモデルから大きくモディファイしていたか想像がつきますね。K10はこんな感じでした。

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もちろん海外の他社のモチーフありきのデザインですから、本物の名車になれる筈はありませんが、今見ても面白い存在であった事は間違いありません。この手法に学んだというか、その後 VWはニュービートルを作り、BMWはMINIを買収し現代に復刻させ、大いに販売でも成功を収めました。トヨタのFJクルーザー(1960年代のFJ40型ランドクルーザーがモチーフ)やフォードGT、チンクチェント、マスタング、カマロなんかもありますね。

自社ブランドに復刻させるべき名車を持たないとこの手法は難しい訳ですが、日本車でやるとすると何があるのかな。もちろん筆頭は2000GTでしょうけれど、それはかなり難しい仕事になるでしょう。いま日産がやるとしたら、過去の特定のどれかのGT-Rを復刻するしかないのかもしれませんね。