2016.06.10

梶原由景と村手謙介が語る、セイコーダイバーズウオッチの魅力。

2016年6月24日、「セイコー プロスペックス ダイバースキューバ LOWERCASEプロデュース限定モデル」が発売となる。それに先駆けて、6月10日、『FREEMANS SPORTING CLUB(以下FSC)』によるエクスクルーシブモデルが400本限定で日米同時発売される。同ウオッチのプロデュースを手掛けた梶原由景、そして『FSC』の日本展開を手掛けるURBAN RESEARCH村手謙介に、今回コラボレーションに至った経緯やセイコーダイバーズウオッチの魅力を聞いた。

Photo_Kengo Shimizu | Edit&Text_Issey Enomoto

 

右:梶原由景/LOWERCASE代表、クリエイティブディレクター
左:村手謙介/URBAN RESEARCH ブランドディレクター

 

現代のアメカジを体現するショップ。それが『FSC』。

——このたび、梶原さんプロデュースによるセイコーのダイバーズウオッチ「プロスペックス ダイバースキューバ」をローンチするにあたって、『FSC』と手を組むことになった経緯を教えていただけますか?

梶原:もともと『FSC』はニューヨークにオープンした直後から気になっていたお店で、現地へ行くたびに立ち寄っていました。そして5年ほど前にお店を訪ねたとき、ドーム型の風防のアンティークのダイバーズウオッチと、ホーウィン社のコードバンレザーのバンドが売られていて、その組み合わせがすごくかっこよかった。そのときの印象がしばらく自分のなかに強く残っていたんです。今回セイコーからダイバーズウオッチのプロデュースの話をいただいたとき、真っ先にそのことが頭に浮かびました。
セイコーがこれまでやっていなかったカジュアル領域でダイバーズウオッチをリリースする。それに際して僕が考えたのは、自分にとって「ダイバーズウオッチ=アメカジ」であり、そのデザインは現代的なアメカジにふさわしいものであるべきだということ。そこで、せっかくなら本物のアメカジを手掛けているところと手を組んで、いっしょにやりたいなと。そして、日米同時ローンチできたら面白そうだなと。『FSC』は、現代のアメカジを体現するお店のひとつだと僕は捉えているので、旧知の村手くんに声を掛けさせてもらったという次第です。

今回のプロジェクトのきっかけになったというホーウィン社のコードバンレザーバンドを、「プロスペックス ダイバースキューバ」の『FSC』エクスクルーシブモデルに装着。バンドは非売品(梶原私物)。

村手:梶原さんからお声掛けいただいて、すぐに『FSC』のマネージングディレクターのケント・キルロエにメールを送りました。すると、二つ返事でOKをもらいました。「セイコーのダイバーズウオッチは、父親から大学入学祝いにプレゼントされた、僕にとって思い出深い時計なんだよ」って。

梶原:へぇ、そうだったんだ。それはすごくいい話ですね。

村手:そこからはトントン拍子に話が進みましたね。

 

梶原と村手が着目する、『FSC』の先進性。

——梶原さんにとって、『FSC』がどういったお店なのか、もうすこし詳しく教えてもらえますか。

梶原:アメカジってもともとは日本のカルチャーですが、ここ10年くらいはアメリカに逆輸出されて、日本人のアメカジがアメリカ人によって再解釈されたうえで再定義されています。先述したように、それを現代においてもっともうまくかたちにしているショップのひとつが『FSC』です。
また、『FSC』は単なる洋服屋としてオープンしたものではなく、レストランとバーバーを併設するというコンセプトが実にユニークでした。しかもレストランのクオリティが驚くほど高く、地産地消やオーガニックといった要素もいち早く取り入れていた。ニューヨーク在住のライター佐久間裕美子さんの著書『ヒップな生活革命』ではアメリカの新しいライフスタイルが紹介されていましたが、『FSC』はそのムーブメントの端緒になったショップのひとつであると言えるでしょうね。

村手:僕も『FSC』は2005年のオープン直後から注目していて、現地に何度も足を運びました。『FSC』はもともとビジネス目的で立ち上がったものではなく、ビリヤードをいっしょにやるような遊び仲間が集うコミュニティなんですよね。だから“スポーティングクラブ”という名がついているというわけです。

 

新しいセイコーダイバーズウオッチを、『FSC』はどう見たか。

——今回の「プロスペックス ダイバースキューバ」の『FSC』エクスクルーシブモデルのデザインに関して、ニューヨークの『FSC』の関係者の反応はいかがですか?

村手:実物を見て、すごくエキサイトしていましたよ。『FSC』の創業者のケントは超がつくほどのヴィンテージウオッチのマニアなのですが、そんなマニアも唸らせるデザインに仕上がっていると言えるのではないでしょうか。ディテールにもすごくこだわっていますし。

「プロスペックス ダイバースキューバ」の『FSC』エクスクルーシブモデル。6月10日、400本限定で日米同時発売。

梶原:僕が考えるいい時計の魅力は、古き良きヴィンテージウオッチに凝縮されています。今回のデザインでは、そのエッセンスを生かしながら、セイコーのダイバーウオッチが持っているレガシーや、これまで培われてきた技術を反映させていくことを強く意識しました。
また、『FSC』に限らず、いまのアメリカって、「日本のいいもの」を血眼になって探しているところがあると思います。アウトドアギアならスノーピークがいいとか、クルマならスバルがいいとか。真摯なモノ作りをしている日本のメーカーに対するリスペクトの念が強く、特にここ2、3年はその流れが加速しているように感じます。そのなかで、時計ではセイコーが注目されつつある。セイコーのような伝統のある日本のメーカーと組んでモノ作りをできるというのは、今のアメリカ人にとってものすごく価値のあることなんじゃないかな。

 

リミテッドモデルも魅力的なプロダクトに仕上がっている。

——続いて、『FSC』エクスクルーシブモデル以外のラインアップについて話を聞かせてください。村手さんにとって、「プロスペックス ダイバースキューバ」のリミテッドモデルはどのような印象ですか?

村手:『FSC』エクスクルーシブモデルはヴィンテージウオッチの要素が盛り込まれていますが、リミテッドモデルのほうがより今っぽいというか、さらに洗練された印象に仕上がっていると思います。スーツスタイルからカジュアルまで、スタイルを選ばないデザインですよね。

リミテッドモデル「SBDN028」¥45,000+tax(数量限定3,000本)

梶原:デザインもそうですが、作りもすごくいいですよね。真摯な姿勢でモノ作りを続けてきたセイコーの底力を感じます。

村手:そうですね。実物を初めて見たときは驚きました。これほど品質の高い時計が、この価格で手に入るのか、と。デザインと質感、そして価格のバランスがとれた、とても魅力的なプロダクトだと思います。

リミテッドモデル「SBDN025」¥40,000+tax(数量限定3,000本)

ともにリミテッドモデル。左「SBDN021」¥45,000+tax、右「SBDN026」¥45,000+tax(数量限定各3,000本)

 

セイコーウオッチ(株) お客様相談室 Tel 0120-061-012

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