オーセンティックブランドとして、100周年「チャンピオン」の歴史と未来
オーセンティックアスレチックウェアを手がけるブランド「チャンピオン」。アクティブウェア、スウェットシャツ、Tシャツ、スポーツブラ、チーム用ユニフォーム、アクセサリーなど、 男女向けのスポーツ・ライフスタイルアパレルをフルラインアップで展開している。そのクオリティと機能的なデザインで、日本でも今も変わらず根強いファンやストリートでの愛用者も多い。
Text_Kurumi Fukutsu
1919年、アメリカのニューヨーク州ロチェスターに誕生した「チャンピオン」は、スポーツと文化の歴史をこれまでの100年で創り上げてきた。アメリカ陸軍のトレーニング・ユニフォーム、アイコニックなスポーツチームのユニフォームまで、幅広い人々の衣類を手がけてきている。
1926年、ウェントフォース・ミリタリー・アカデミーのスクールユニフォームを初めて手がけ、その後、1934年にミシガン大学でスウェットとTシャツが採用されたことから全米でブランドの名が広がった。1938年にはスウェットの弱点である縮みやすさを克服したアイコニックな名品「リバースウィーブ」が誕生。2018年、ニューヨークの近代美術館に恒久展示されるなど、スウェットといえば「チャンピオン」というその方程式がてきあがるほど、長い間愛されているアイテムを生み出だしている。
1968年には女性向けの商品拡大もすすめ、アスリート向けのユニフォームやスポーツブラなどが展開されるように。1980年代後半からは多くのセレブリティやヒップホップやパンクミュージシャンが着用するようになり、現在においても、さまざまな場所で世界中のクルーやチームに受け入れられている。
「チャンピオン」の北米のプレジデントであるSusan Hennikeは、100周年を迎えたブランドについて「チャンピオンは最も古いオーセンティックブランドのひとつです。その中で、ヘリテージと現代のものをうまく融合したブランドとして、これまで成長してきました。消費者もこういった私たちの歴史やストーリーを大事にし、ブランドを好んでいます。また、これまでの歴史からスポーツとはかなり深い関わりがありますが、そこからライフスタイルにも落とし込んできたという、非常にユニークなポジションを持つブランドだと思います」と話す。また、「アメリカでは今、ジェネレーションZ世代をメインターゲットにしています。その世代は、親世代もチャンピオンの愛用者も多いので、“家族と一緒に着る”といったような感覚もありますね。リバースウィーブは変わらずベストセラーです」と述べ、「ブランドにとって今後は、ヘリテージを守りながら“イノベーション”もキーワードになるでしょうし、“多様性”も大切です。マスなスポーツだけでなく、BMXやスケートボードなどのストリートシーン、e-スポーツなど、さらに幅広くチャンピオンブランドを広めていけたらいいと思っています」と、展望について語った。
今年はアニバーサリーイヤーということもあり、「チャンピオン」は2019年においてチームであるとはどういうことなのか、その意味を探る多面的な「For the Team’(チームのための)」グローバルキャンペーンを行ってきた。
これまでフランスのサッカーリーグ「Le Ballon」シドニーのバスケットボールチーム「Beach Side Ballers」、サンディエゴのダンスチーム「Choreo Cookies」、e-スポーツの「NBA 2K League」などパートナーシップを結んできたが、11月にはファッションアイコンとして活躍するLuka Sabbat(ルカ・サバト)と提携。Lucaは、「チャンピオン」が慈善的立場から提携している非営利団体「Art Start」から選ばれた若者たちの作品からインスピレーションを得て、自身も「チャンピオン」のアパレルをキャンバスに用い、限定版オリジナルの作品を制作した。
11月13日(現地時間)には、NYにあるフラッグシップショップにて同アニバーサリーを記念したスペシャルイベントを開催。イベントでは、100周年にふさわしい、ブランドのストーリーを伝えるショーケース、また、今年契約をしている「NBA 2K League」「 The Harlem Globetrotters」「Choreo Cookies」などがイベントでパフォーマンスを披露した。また、イベントには、新しいグローバルキャンペーンでパートナーシップを提携したLuka Sabaatも姿を見せた。
スポーツだけにとらわれず、アートやストリートシーンなどのライフスタイルにも深く根付いたブランディングをしている「チャンピオン」。若い世代から大人の世代までに愛されるブランドとして、次の100年の新しいページを開いていく。
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