2018.09.28

千客万来のTHE CONVENI 藤原ヒロシが見据える、その先の話

DSC_2351 オープンして数週間。この店は銀座で、東京で……いや、日本で1番話題に上がったコンビニだったことだろう。誰もが見知ったやり方で行われる、誰も知らない提案の数々。前代未聞のショップ、その営業はまだ始まったばかりだ。開店直後の店内で、ドリンク棚の傍に立つ藤原ヒロシの言葉に見る、THE CONVENI(ザ・コンビニ)の今とこれから。

Photo_Shoichi Kajino | Edit&Text_Rui Konno

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ーオープン、おめでとうございます。実際に来てみると聞きしに勝るコンビニ感ですね。

藤原ヒロシ(以下藤原):ありがとうございます。ただ、まだ足りないなとは思ってるんですけどね。

それは意外です。具体的に足りないのはどんなところだと思われてるんですか?

藤原:物量ですね。特にレジ周りはもっと充実させたいなと思ってます。コンビニのレジの奥って、ポスターとかがバーっと貼ってあるじゃないですか? あぁいうのを見ると、やっぱりまだ少し寂しいなって。そういう意味でもまだまだこれからのお店だと思ってます。

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内覧会時の店内の様子

本来気軽なはずのコンビニというお店について、これほど向き合ったことはなかったんじゃないでしょうか?

藤原:そうですね。THE CONVENIをやるって決まって、みんなで研究し始めましたしね。だからこうして形になってみると感慨深さはありますよ。いつもミーティングの時は、「コンビニってこんな感じで、例えば音楽はこうだから、ウチはこうしよう」って案を出したりとか、チームのメンバーがそれぞれ企画を持ってきてくれていましたしね。今、ここをコンビニっぽいなと思っていただけるならそれが良かったんでしょうし、個人的にもそれが面白いなと思ってます。

初めて「コンビニをやりたい」とヒロシさんが言ったときのみなさんの反応はどうでしたか?

藤原:わからかなったんじゃないですか? 僕が言ってる意味が(笑)。本物のコンビニなのか、それともフェイクなのか。それはお客さんもそうで、来てみて初めてわかると思います。

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内覧会時の店内の様子

アイテムのラインナップも実際に見ると事前情報以上に新鮮ですが、個人的に特に気に入られてるものはありますか?

藤原:うまい棒ですかね。僕は純粋にこういうアイテムをもっと増やしていきたいなと思ってます。

ヒロシさんは元々うまい棒って食べられていたんですか?

藤原:あんまり食べないです(笑)。だけど、やっぱりコンビニにはこういうものが必要だなって。こういう安い駄菓子を良いデザインに変えたり、高級なものを安そうに売ったりというバランスを取りたくて。

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内覧会時の店内の様子

元々ヒロシさんはそういうローなものとアッパーなもの、どちらもフラットに楽しんでいるという印象がありました。

藤原:それはそうかも知れないです。ここでも、そういう目線でやっていきたいなと思っています。

THE CONVENIのそういうミックス感は最初から想定していたものなんですか?

藤原:いえ、作っている途中で見えてきました。例えば駄菓子のパッケージ替えとかも実際にできるかどうかもわからなかった所から徐々に実現し始めて、今の形になりました。でも本当に、僕以上にチームのみんなが色々良いアイデアを出してくれて、頑張ってくれたからできたお店だと思ってます。アイデア面で言えば、今回の一番の功労者はJUNのスタッフたちだと思います。

清永さんにもお話を伺いましたが、オープンに際しての悩みが本当のフランチャイズ店のオーナーのようでした。THE CONVENIはオープン前にすでに新規出店の誘いもあったと聞きましたし、そこも本物のコンビニ的だなと。

藤原:フランチャイズみたいなのかなぁ?(笑) そこまでではないですけど、本物の田舎のコンビニのジュースラックひとつ分だけを僕らがプロデュースするとか、そういことがあっても面白いかなとは思ってますよ。THE CONVENIというパッケージは決まっているので、アイデア次第では色々とできるかも知れないなと。

これまでのthe POOL aoyamaや THE PARKING GINZAは行列や品切れも名物でしたけど、コンビニを謳う以上は品切れは大敵ですよね?

藤原:その辺は難しいところですけど、ちゃんと売れ行きを追っかけて補充していければ良いなと思ってます。ただ、物を売りたいというよりは本当にお店を体感してもらいたくて、見に来るくらいでも良いと僕は思ってるんです。商品はオンラインでも買えるようになっているので、空間自体の雰囲気を実際に感じてもらえたらな、って。

それはやっぱり荒木さんの空間作りの妙でもありますよね。

藤原:忠実に作ってくれましたよね。今回は荒木くんはやりやすかったんじゃないかな? コンセプトが明確だったから。荒木くんとは2人で何度かコンビニに行って、什器を見ながら話し合ったりもしてましたしね。

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