2018.07.20

AMG GT63

そろそろAMG初の専用ボディを持つセダン “GT63″のリリースが近づいています。この車がセールス的に成功するかを考えると、難しい部分もありそうですね。

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それにはいくつか理由があると思うのですが、ひとつはやはり既にクーペの AMG GTが発売されているという事実です。名前やデザインの類似性から考えると、この新型のGT63 は「AMG GTの4ドア版」と受け止められるのではないでしょうか。

しかしながら、そうなると商業的にメルセデスの期待ほど売れなかったAMG GTの4ドア版と言われてしまうと、買う側のモチベーションも上がりにくいのかもしれません。

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さらに大きな理由は「AMGブランドの顧客の特殊性」もあるのではないでしょうか。と言うのも、結局のところAMGを買う顧客の多くは「スポーツイメージを強く持ちながら、実はラクで快適なクルマ」を求めているのではないでしょうか。例えば期待ほど売れなかった SLS や AMG GT は共に、ハードな乗り心地を持つ本格的なスポーツカーでした。それらは、AMGの顧客からすると少し本格的過ぎたのではないでしょうか。ここが、ハードコアなモデルを求めるポルシェの顧客とは大きく違うところです。

そんなポルシェでさえも、セダンであるパナメーラのV6モデルは、女性でも普通に快適に、運転できるクルマに仕立ててあります。誤解を恐れずにいえば、パナメーラは「ポルシェというイメージを発信しながら、実は普通に快適に乗れるセダン」として人気を得ていると言ってもいいでしょう。

しかしながら、このGT63 はおそらくは AMG GT をそのまま4ドアにした様なハードな車に仕上がっているでしょう。AMGとしてもこの車を普通のEクラスのような軟弱な車に仕上げるわけにも行かなかったのでしょうし。この辺りはAMGというブランドの非常に難しいところで、今後の課題の1つかもしれません。

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そう考えると、ポルシェは非常にうまくやりましたね。例えばカイエンやパナメーラのV6モデルは、現代の車の基準からすれば特段スポーツカーのような性能を持つ車ではありません。誤解を恐れずいえば、実は普通のメルセデスやBMWの6気筒モデルと大きくは変わらない車といえます。しかし、だからこそ、あんなに売れているとも言っても良いでしょう。

その一方で、パナメーラが快適であるからと言って、それについて怒る顧客もいません。何故ならあくまでカイエンやパナメーラは911とは別だと、顧客は考えているからです。ここのあたりはポルシェの顧客の教育が非常に巧みだったと言えるのではないでしょうか。

 

 

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