2016.02.02
白夜行
ある作品に初めて触れるのが小説だったかドラマや映画だったかで、その作品に対する評価は変わってくるもの。僕にとってこの作品は絶対に小説なんですよね。
なんといってもこの作品の肝は「雪穂と亮司が1度も会ってるシーンが無い」って事。これこそがこの作品の最も美しい点でした。もちろん二人は会ってるんでしょうけれど、そのシーンは一度も無いんです。ラストまでは。
でも、これでは映像化した時にエンターテイメント性が足りないと判断されたのかもしれません。だからドラマ版では毎回のように二人は会ってたんですね。小説を先に読んだ人にとっては、これは受け入れ難かったかもしれません。原作から比べると亮司が非常に優柔不断に見えたし、恋愛ドラマのテイストも強かった。
一方で、逆に先にドラマを見た人はあれこそが、その人にとっての「白夜行」そのものだったと思うんです。ドラマ自体は非常に良くできてましたし。
こういう作品は先にどちらを体験するかで、自分にとってどんな作品かが大きく変わるんだと思います。
いずれにせよ、素晴らしい作品でした。
- Keywords:
- Japanese Authors