「最も小さく、最も物が多い店」藤原ヒロシが仕掛ける新店”コンビニ”とは?
「THE PARK・ING GINZA(ザ・パーキング銀座)」の閉店から1年。今夏、銀座の地に再び藤原ヒロシがショップをオープンさせる。ヴィンテージマンションの会員用プールを改装した「the POOL aoyama(ザ・プール青山)」、ソニービルの地下駐車場に隣接した「THE PARK・ING GINZA」に続く「THE CONVENI(ザ・コンビニ)」は、これまでで「最も小さく、最も物が多い店」になるという。雑誌SWITCH(スイッチ)で明かされた新店「ザ・コンビニ」とは?情報解禁に先駆け、藤原のワーキングエリアでもある六本木でその構想について聞いた。
Photo_Shoichi Kajino | Edit&Text_Mio Koumura
構想初期のイメージパース
ー新ショップの名称は「ザ・コンビニ」ですが、そもそもヒロシさんはコンビニを利用されるんですか?
よく利用しますよ。
ー様々なチェーン店がありますが好きなコンビニは?
僕はローソンが好きですね。
ーなぜローソンなんでしょうか?
店内が明るいんです。セブンイレブン派が多いみたいだけど、照明が暗い。ローソンの白い電球に対して、セブンイレブンはオレンジの電球という印象。もし色々なコンビニが並んでいたら店の中の明るいローソンを選びますね。
ーコンビニでは何を買いますか?
セブンのお弁当やスイーツが美味しいという話はよく聞くけど、僕はお弁当をコンビニではあまり買わないです。市販のパンやお菓子が中心ですが、ローソンだとからあげくんは好きですね。あと、揚げ物コーナーに置いてあるイカフライがすごく美味しい。ご飯のおかずにちょうど良いんです。でも、ほとんどのローソンに置いていなくて。どういう基準で置くお店を決めているんだろうと気になっています。
ープール、パーキングに続く店となる「ザ・コンビニ」。構想はいつからあったんでしょうか?
パーキング閉店後、ソニービル側から新しいショップについて依頼があって、どういうお店をやろうかと具体的に練り始めました。いつも最初に建築家の荒木くん(荒木信雄)とコンセプトの打ち合わせをするんですけど、コンビニのドリンク棚をヒントに原宿のretaW(リトゥ)を作った時から「コンビニっぽいお店があったら面白いだろうな」という構想がぼんやりとあったんですよね。
原宿のretaW。外からも見えるアイコニックな陳列棚
ー名前だけではなく、ショップそのものをコンビニをベースに作るということですか?
はい。コンビニってドリンク棚だけではなく、おにぎりやサンドイッチが並ぶ惣菜コーナーや、アイスクリームが並ぶ冷凍平台ケース、雑誌棚、レジ後ろのタバコ陳列棚なんかも、どこのコンビニにも共通しているアイコニックなもの。それらをアパレルのショップに落とし込んだら面白いだろうなと。今は絶賛チームで「どうやったら近づくことができるか」とコンビニを研究中です(笑)
ーヒロシさんが考えるコンビニらしさとは?
圧倒的な物量ですかね。
ープール、パーキングはどちらかと言えば物量は少なく、場所としての価値も魅力になっていました。
パーキングとプールのようなお店は一から作れる場所ではないから、僕としてもすごく満足していて。結果的に両店舗とも2年間以内という期間だったけれど、JUNにもソニービルにも貴重な場所を提供してもらえたことを今でも感謝しています。
ー今回はショップ作りのアプローチが異なりますか?
そうですね。これまでは荒木くんと空間コンセプトを考えて、そこに置く商品は少量でも空間がカッコいいのでそれでよかった。でも、コンビニはそうはいかない。当初は、内装が似ていれば物は少なくてもいいと思っていたけれど、たくさん物が並んでいないとコンビニっぽくはならないんですよ。だから今、このコンセプトを選んだことを少し後悔しています(笑)。
ープールやパーキングでは行列も名物のひとつでした。「ザ・コンビニ」はどうですか?
コンビニは、行列ができるようなお店じゃないですね。僕は行列って全然必要ないと思っていて。一つのバロメーターではあるけれど、誰と組むか、何を作るかで違ってくるものだから。
ーソニービルから近い銀座の地下通路にはセブンイレブンも出店しています。
そうなんですね、じゃぁライバルだ(笑)
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