2017.08.05
New Phantom
新型ファントムのデザイン上の秘密はやはりこのグリル。
もともと1920年代からのロールスロイス黎明期に作られていたファントムのグリルは、もちろん今と同じパルテノングリルだったけど、それは「縦に長い長方形」だった。
そして1960年代あたりのモデルも、同じく縦に長い長方形。
90年代のシルバーセラフあたりからパルテノングリルはいつしか横長へと姿を変えて行く。
そして、2003年にBMW社によって新たに設立された新生ロールスロイス社が新しく作った現代のファントムも当然、横長の長方形のパルテノングリルだった。
そして14年ぶりにファントムをモデルチェンジするにあたって、オリジナルへの回帰を考えると、初代の縦長グリルのイメージを復活させるというのは必然だったと思う。
けれど、グリルを昔のように縦長にしてしまうと、どうしても古い車に見えてしまって、現代のモダンなプロポーションにはフィットしない。
そこで、考えたのがこの手法。
つまり格子状の部分だけ見ると現行のファントムと同じあくまで横長の長方形。しかしながら、その下にあるナンバープレート部までクロームメッキにすることで、その部分を含めて全体を見ると縦長グリルのイメージを獲得した。
この見事な手法で、新型ファントムはあくまでモダンな最新のテイストと、20年代からの初期ロールスロイスの威厳あるオリジナリティを両立に成功したように思います。
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