さて新しいツインピークスですが、1〜4話だけオンデマンドで先行配信されました。

いつも通りの全体的な説明不足や、見る人の想像力に委ねた要素があるものの、期待以上の完成度で驚きました。普通の人に全く理解できない作品しか撮れなくなったのでは？と心配してましたけど、これはリンチとしてはかなり解りやすく撮られてます。それでいて彼らしさも十分に感じられますし。

アメリカでは第2話後半〜3話の冒頭の展開がややリンチ的すぎて脱落した人がいたのと、第8話があまりにもシュールで見る人を突き放した内容だったので賛否があるようですが、今のところ、リンチらしさと一般性のバランスをギリギリ保った良い作品だと思いました。

 

それと今回、つくづく思ったのですが、さして意味のないシーンをやたら長く撮ったり無言のシーンが続いたり、そういう部分が彼の独特なフィルム感を出しているって事です。そういう「何も起きない 待ち時間的なシーン」こそが素晴らしい部分でもあると言いますか。苦手な人はまさにそれがダメであり、ファンにはそれがたまらない、というところなのでしょう。

２回以上繰り返し見られることは、もう当然の前提として作られていますし。最近の「5分に1回、キャッチーな事件が起きる」という一般的な海外ドラマに慣れている人にはちょっと厳しいかもしれません。

基本的にはファンのための作品と言えるので、前のツインピークスを見てない人は、さすがにちょっと理解が難しいでしょうから、今作にトライしたい方は最低でも前作の第一部（ローラの事件）くらいは見てからの方が良いかと思います。