政治と大衆を結ぶ芸術John Heartfieldのポスター展 宮下SAIで開催
MIYASHITA PARK内のギャラリーSAIで、写真家でダダイストJohn Heartfield (ジョン・ハートフィールド)のポスターに焦点を当てたエキシビション「JOHN HEARTFIELD」がスタートした。
John Heartfieldは第三帝国支配下のドイツで多重露光や既存の写真、図像の合成を用いた「フォト・ モンタージュ」と呼ばれる手法で、非国民として訴追されながらも自身の制作を続けた人物だ。1910年から20年代には、ベルリン・ダダの一員でコミュニストとして活動。自らを「モントゥール(組立工)・ダダ」と名乗り、弟であり編集者のヴィーラント・ヘルツフェルデや風刺画家のジョージ・グロッスと共に、戦争や政治に内包される狂気へのプロパガンダを雑誌 「AIZ(労働者画報)」を通して痛烈に表現した。
そんな彼の緻密なコラージュやタイポグラフィ、印刷技術の研究によって生み出された作品群には、同時期にロシアを活動拠点としていた構成主義のロシアン・アヴァンギャルドのグスタフ・クルーツィスやアレキサンドル・ロトチェンコの思想に近しい関係性をも見つけることができ、芸術の価値を写真とテキスト、レイアウト、意味の操作と創造といった編集的な概念まで進化させた代表的な存在となっている。
本展では彼のオリジナルフォトモンタージュを中心としたポスター群を展示。現代にも強くリンクする、政治と大衆を結びつける芸術が持ち得る可能性を同展を通して感じとって欲しい。
■JOHN HEARTFIELD
会期 : 2020 年 9 月 16 日(水)~10 月 5 日(月)
場所: SAI ADDRESS
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前 6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3F
時間: 11:00 – 21:00(無休)
TEL : 03-6712-5706
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