2021.04.23
スタイリスト私物と週刊文春
4月29日号の週刊文春に「スタイリスト私物」の広告が掲出されました。場所は目次下の1/5P。”菅首相「夏に絶対やる」五輪強行で血税1300億円消失”や”小室母「年金搾取」計画口止めメール”といったスキャンダラスな活字よりも大きな文字で、しかもちょっと斜めに。加賀美健さんが書いたお馴染みの「スタイリスト私物」の力の抜けた自由な文字と目次の出来事の違和感が絶妙で、ニヤリとしたのは私だけではないはず。
「スタイリスト私物」が東急電鉄東横線の学芸大学駅ホームから眺めることができる巨大看板に広告を掲げたのは2019年末。突如、レーベルの看板出現に驚いた人も多かったようですが、2020年にはグラフィックデザイナー高岡周策のグラフィックが重ねられ、新型コロナウイルスが広がる中で手洗いを呼びかける”注意喚起の掲示板”へと役割を姿を変えました。週刊文春にはそれ以降の広告”出現”となり、今回は長引くコロナウイルスに疲れた人に「一息ついたら?」というメッセージのなのでしょうか。
奇しくも、和田誠作品が飾る今月の表紙はレーベルを主宰する山本康一郎さんの愛猫”イク”にも似た三毛ネコのイラストでした(ちなみに、2021年最初の週刊文春の表紙は白ネコ)。狙ってか、狙わずか。どちらにせよ、神出鬼没で掴み所のない「スタイリスト私物」の企みがこれからも楽しみで仕方がないのです。
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