味一麺
讃岐うどんが好きで、毎年二回は香川を訪ね食べまわっている。かれこれ20年超、出張で訪れた際に高松の方から当時出たばかりの「恐るべきさぬきうどん」を頂いてからなんで、いわゆるブーム前からということになる。
香川の人は本当にうどんをよく食べる。米穀店でもうどんを売るくらいだから(というかメインがうどん。笑)主食と言って差し支えないだろう。なので製麺所というのも随所にある。そこでそのまま食べさせ始めたのが一種のブレークポイントであったと思う。どんぶりに揚げたてのうどんをいれてもらって、醤油をさっとかけてその辺で食べる。そのスタイルのユニークさが全国の人の心を捉えた。
もちろんいわゆる一般店という、テーブルに着き注文を取りに来る通常のレストランタイプの店もある。その一般店の白眉、「おか泉」。今では広く日持ちのする半生麺の通販も行っている有名店だが、この店に来ないと予約注文できない、店で打った生麺のお取り寄せが「味一麺」。自宅調理での再現度も高く、絶品のぶっかけだしも付いてきて、あの独特のコシの滑らかな麺が香川に行かずとも味わえる大変有難いものだ。
もちろん茹で上げた麺を一旦水でしめ、専用の出汁をかける「ぶっかけ」がこの麺のポテンシャルを最大限に引き出す調理法なのだが、僕のお気に入りは敢えて「釜玉」。それもバター入り。丼に卵を割り入れ溶いておく。そこにパリで買ってきたボルディエの発酵バターをちょっとのせる。揚げたてのうどんをお湯切りし、ダイレクトに投入。軽く混ぜ、黒胡椒をミルで挽いて上からパラリ。「味一麺」同梱の「釜玉」用醤油をサッとかけ食べる。「うどんバカ一代」の看板メニュー「釜バターうどん」に倣った。
もう一つは「釜揚げ」。「味一麺」には天かすも付いてくる(他にスダチ、大根、生醤油も)。それを使って宮崎の「重乃井」インスパイアードな付け出しを作る。ぶっかけ出汁を温めて、そこに天かすIN。ちょっとふやかしてからうどんをつけて食べる。長ネギも合う。
この「味一麺」が最近数量限定でネット通販できるようになった。お取り寄せ最高峰のうどん、是非お試しあれ。
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