2022.10.09

サイモン・フジワラのキャラクター「Who the Bær」が映すものとは?プラダ青山で展覧会

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プラダ財団が後援するサイモン・フジワラによる展覧会「Who the Bær」が日本に上陸する。2020年のコロナ禍のロックダウン中に誕生した「Who the Bær」は、サイモンが”ハイパー資本主義的な娯楽文化のどんどん意味をなさなくなっている世界に対する子供らしいダダイスム的なリアクション”としてアニメやテーマパーク、おとぎ話などから着想を得て創作した漫画のキャラクター。2021年にプラダ財団での大規模な展示を皮切りに、ロッテルダムのヴィッテ・デ・ヴィット現代美術センターでのショーを行なってきた。

サイモンはWhoを漫画のキャラクターとしながらも、人格や性格、アイデンティティ、ジェンダー、セクシャリィは未設定。フラットなオンラインの世界を住まいさせながらも明確なデザインは持たせずに、サイモンは気候危機や文化盗用、 美容整形、ポップアートなどさまざまなテーマにwhoを変容させながら「自分らしさ」の探求に取り憑かれた現代社会を浮き彫りにしている。

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プラダ青山店5階の展示会場には、パステルカラーのカーペットが敷き詰められた複数のエリアに分かれてWhoの様々な側面を探究。Whoそのものを紹介する本の表紙のを模した巨大コラージュ「Who is Who?(Who って誰?)」に始まり、ストップモーションアニメーション《Hello Who?》ではミームのような描画を通して変化自在なWhoのアイデンティティを表現。続く、Who the Bærのイメージを集めた博物館や美術館「Who ジアム」では、美術史を代表する名作へとWhoが姿を変えるナルシスト的な側面を通して、文化の盗用や遺産の返還といった問題意識を考察する。さらに展覧会を締めくくるのは、シリーズ最大のWho the Bærの立体像《Who’s Only Whoman?》(2021 年)のアニマトロニクス。アニメーションや彫刻、イラストなどさまざまな表現へと変容する新作を多数そろえ、Whoの永遠に続く自分らしさを探す旅を紹介する。

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■Who the Bær
会期:2022 年 10 月 15 日(土)~2023 年 1 月 30 日(月)
場所:プラダ 青山店 5 階
住所:東京都港区南青山 5-2-6
時間:11:00 – 20:00 入場料無料

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