2020.11.10

まだまだ続く”冒険の軌跡” Rizzoli刊行HIROSHI FUJIWARA「Fragment#2」

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2014年、Rizzoli社よりリリースされた「Fragment」。それから6年、その後の活動の軌跡を収めた藤原ヒロシの活動の奇跡を収めた「Fragment#2」が今年、発刊された。藤原は、近年「LOUSI VUITTON(ルイ・ヴィトン)」や「Moncler(モンクレール)」、「NIKE(ナイキ)」、「BVLGARI(ブルガリ)」、「TAG HEUER(タグ・ホイヤー)」の仕事において、パンクやヒップホップ、スケートの文化に浸る美学を洗練させながらラグジュアリーへと変えている。一方で、「the POOL aoyama(ザ・プール青山)」にはじまり先日惜しまれつつも閉店した「THE CONVENI(ザ・コンビニ)」、「Starbucks(スターバックス)」を代表する空間ディレクションまで、その活動の幅は広がる一方だ。前作に引き続き、アートディレクションを手掛けたのはmo’design inc.代表の溝口基樹。同書の計画は、今から約1年半前にスタートしたという。

Photo_Ko tsuchiya Text_Mio Koumura

本作では、表紙全体のイメージは変えずにRe-Issueには見えないよう、爽やかなスカイブルーが新鮮だった前作から一転、反対色でもあるイエローがポイントカラーとして採用された。「#2ということで前作のイメージを引き継ぎつつ、ヒロシさんらしさを理解しながらヴジュアル的に新しい見え方を意識しました」と溝口は語る。

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 ページをめくると、近年の活動から厳選されたというアートワークやグラフィック、スニーカー、プロダクトデザイン、空間プロデュースまでを網羅できる。新たに撮り下ろされた過去のアーカイブ写真だけではなく、ブランドと制作したヴィジュアルなども掲載。中には未発表のマセラッティとのコラボレーションも、フライングで見ることができるから驚きだ。

 前作との違いについて溝口はこう語る。「90年代からのアーカイブと私物なども含めた前作とは異なり、今作は前作以降の制作物のみで構成されいます。近年のヒロシさんの活動は世界的なラグジュアリーブランドはもちろん、車やクルーザー、空間プロデュースにまで広がっている。世界的にもデザインやクリエイティブディレクションにおいて、ヒロシさんが示す方向性が求められているのだと改めて感じさせる1冊に仕上がっていると思います」。
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Rizzoli社は公式サイトで「The continuing adventures of Hiroshi Fujiwara, “godfather of streetwear.”」というコピーとともに、同書を紹介している。まだまだ続く、藤原ヒロシの”冒険”。数年後に刊行されるかもしれない「Fragment#3」ではどのようなクリエイションが記録されるのか、今から楽しみにしたい。
■Rizzoli Fragment#2
公式サイト
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