2017.01.18

AMG GT-C Edition50

去年追加された AMG GT-Cグレードのクーぺ版の限定モデルとして GT-C Edition50 が発表されました。

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リリースから約2年。結局のところ AMG-GT は、どういう存在だったのでしょうか。

そもそもメルセデスのスポーツカー的存在であったSLのセールスが低迷。それに伴うメルセデスのスポーツイメージの弱体化の危機感が、まずはあったと思います。その後 SLSという思い切ったガルウィングのモデルを出したものの、これも名車になりきれずに終了。ほどなく本家のSLのフルモデルチェンジもあったけど状況は変わらず。

そういう流れの中、メルセデスのスポーツイメージを引っ張るようなクルマを、という事でポルシェ911のようなポジションを目指してAMG GTは生まれたんだと思うんですね。SLSよりもややピュアスポーツ的な方向性で。

そうして遂に発売されたAMG-GT は、デザインも現代風で、性能も素晴らしく、内外装のクオリティも高く、プライスも安くはないけれど性能や車格からすればフェアなもの。発売前に皆が「こんなAMGが出たら絶対買うのに」って言ってたそのままのような車でした。

でも、歴史を見ても明らかですが、そういう車が出たとしても、得てして売れないものです。AMG-GTもそのプロダクトとしての完成度のわりに、セールスはメルセデスの期待とは程遠い印象。リセールバリューの低さからすると、その潜在的人気も期待値を下回っているのでしょう。この辺りが本当に車作りの難しいところ。メルセデスの顧客がどんな車を望んでいるのか、それはブランド自身にもなかなか把握できない事なのでしょう。出来た車が素晴らしくても売れるかどうかは本当にわからないものです。

その要因はたくさんあるとは思うのですが、やはり乗り心地がハード過ぎたというところがひとつの難しい要素だったのかもしれません。結局のところAMGブランドの人気の本質とは「ベースモデルの快適性をそのままに、スポーツ性を高めたところ」にあったのでしょうか。だとすれば難しいですね。快適にすればSLと同じになってしまい、ピュアスポーツ方向に振れば911には勝てないと。

でも、AMG-GT はまだデビューしたばかり。いきなり911に勝てる道理はありません。だから長い時間をかけて独自のイメージを築いて行くしかないのかもしれません。911が「リアエンジンと後席」という組み合わせを武器に、50年かけてそれを成し遂げた様に。

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