Geneva Auction Report
さてジュネーヴのオークションも終了。相場がやや下がってるという状況の中、結果的には明暗別れたハンマーになりました。相場の低下というよりも、マーケットが賢明になった感じでしょうか。少しでも問題がある個体は不落札、良い個体やレアな物は高く、という雰囲気。言わばダウトのある個体には入札が入らず、と言いますか。
今回改めて痛感させられた事は、高額になるのは「とにかくコンディションの良いもの」か「とにかく数が少ないもの」のどちらか、という原点に戻ったような傾向でしたね。あとは金無垢ケースの強さがやはり目立ちました。
6241YGのPN(シャンパン)は何故か39ベゼルに交換されていたので心配されましたが、文字盤とケースのコンディションも良く、ブレスなし&ベゼル違いでも 471,000CHFと高額落札となりました。やはり6241は強いですね。
そして6262のチェリーも 435,000CHFという素晴らしい結果。これに関しては (1)金無垢の6262自体のケースが相当にレア (2)金無垢のCherryも少ない という事かな。文字盤に関しては夜光の多くが欠落という悪いコンディションながら、それでも貴重であるという判断だったのでしょう。それだけにパーフェクトコンディションなら50万ドル以上行った可能性もありますね。
6239のJPSは512,000CHFという結果。やはりケースとベゼルが痩せてた事、文字盤のコンディション、6241でなかった事などが影響し、JPSとしてはかなり低めの結果。ただそれでも、金無垢ポールは非常に少ないため、やはり値段はつく、といったところでしょうか。あとサザビーズに関しては日程がいつも悪いです。デーラーたちがすでに帰ってしまった火曜日のオークション開催ですので、必然的にこうなりますよね。今回も全体的に低調でした。
こちらもそのサザビーズの6263のMK1ポール。こちらもオリジナルオーナーからの個体でコンディションも悪くはなかったのですが、412,500CHFというやや低調な水準。昨今はMk1神話はやや崩れ、それよりもMk2であってもコンディションが良いほうが好まれる傾向にありますし、それも理由の1つだったのかも。
6241の黒ポールは200,000CHF。これも悪くはないが 特別良い訳でも無いという個体でした。今ノンオイスターポールは6241/39なら20万CHFくらいで推移、コンディションの良いものは25万CHFという感じでしょうか。ただしディーラーがその値段で買っても、実際の顧客への販売となりますともう少し高くなりますね。
こちらは6241のJUMBO文字盤。これも非常に少ない時計で、オークションに出るのは3個体目くらい。今回のケースはシリアル1.5と完璧だったのですが、夜光が数個欠落、ベゼルも剥離ありというコンディション。ですが212,500CHFという、なかなかの高額。やはりこれも数が少ないのがポイントになってきます。
そしてこちらが不落札だった6265のMk2パンダ。原因はいくつか考えられますが、シリアル2.8なのにMk1 Pusherでは無かった事、文字盤の夜光のコンディションが万全では無かった事などでしょうか。ただ以前ならば、このレベルでも不落札という事は無かったでしょう。
こちらの6200も不落札。これに関しては恐らくですが、リルームと判断されたのだと思います。昨今のサブは特に、Bestなものにはとんでもないプライスがつき、平凡な個体や問題のある個体は難しいという状況。モデル神話も崩れてきていて、例えば6536などのスモールクラウンでもベゼルや文字盤の状態がパーフェクトなものに関しては6538や6200以上の価格で取引されてます。40-50万ドル以上のスモールクラウンという個体も出てきました。誤解を恐れずに言えば「ボンドだから高いという時代は終わった」と言えるかもしれませんね。
そしてこちらも不落札だったOysterDownの6263。ケースは2.08でしたが、Pusherが本来Mk0なのにそうでない所が大きな問題点だったと思いますけど、それにしても不落札とは意外でしたね。確かにディーラーがオークションで仕入れる場合、シリアルも明らかになってるので例えパーツを持ってても付け替えて売ったりしにくいというのもあると思います。オークションで買うからには、そのままの状態で通用する時計が望まれる、という所でしょう。
そして最後に前に紹介した、オマーンの6263 BigRed。正真正銘の本物とは言え、カンジャーのエングレーヴが文字盤にも、裏蓋にすら無いので、どうかなと思ってましたが結果は187,500CHFという高額落札。やはり貴重なものにはきちんと値段がつく、という事ですね。
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