1993年の雑誌 Car EX で歴代のポルシェの価格がそれぞれの時代で日本においてどのくらい高価だったかを比較したページがありました。歴代の911のベースモデルの価格と、その同じ年のクラウンの高級モデルの価格との比較で検証するというもの。

例えば1965年は911の価格が435万円でクラウンの2.0DXが102万円。対クラウン係数　4.24倍という訳ですね。93年では911C2が1,060万円に対しマジェスタCタイプが571万円で1.85と。この資料で見ていくと

1965年：4.24（435万/102万）

1978年：3.27（830万/262万）

1989年：2.12（985万/465万）

1993年：1.85（1060万/571万）

2015年：1.87（1300万/695万）

こう見ると 911の 対クラウン係数 は徐々に下がって来ています。60年代はクラウンの4倍だったのが、70年代後半で3倍となり 1990年頃に2倍に。そして 993の登場でついに2を切り1.85にまで下がった。そして1.8となった後、ここ20年はずっと横ばいに近い状態。ただしここ10年くらいは、超高級モデルの出現やオプションの高額化により、事実上は少し値上がり傾向にありますが。

ただそれでも大きな流れで見れば、ポルシェが身近になったというのは間違いないのかもしれません。それはつまり超マニアック少量生産車から高級スポーツカーへのポジショニング推移の歴史とも言えるでしょう。

しかし90年代の雑誌って本当に凄い。こんなに細かい情報や貴重なデータや福野礼一郎さんの素晴らしい解説とイラスト。20年以上たっても、ずっと大事にできる雑誌があるなんて本当に素敵なことだと思います