2016.08.14

お多福

かえる課長という男がいる。彼が勧めていた大阪は野田阪神にある大衆酒場。
FPM田中さんも各方面で賞賛されていた「お多福」である。
近くに市場があるというのはいい飲み屋が存在する必要条件の一つなのかもしれない。あの名店「たなか屋」のように。
ここも午前中からやっていて、市場の仕事終わりにちょっと飲みに立ち寄る人多しと見た。みなネタケースからお造りなどのアテを選び、酒を飲んで1000円も払わずに出て行く。そんなユルい感じも魅力なのだが、実はこの「お多福」、18時以降全く別の店となる。
竹輪きゅうりを突きつつ、ビールをやってその時間を待つ。

18時に息子さんが出勤するとそれまで裏返されていたホワイトボードのメニューが明らかにされる。つまりこれら料理をみな求めて訪れるのである。すべて300円or400円(この日は一品450円のものがあったけど)。でもそんな値段の味じゃない。コスパ日本一なんじゃないかな。

例えば自由が丘の名店「金田」にも満月蒸しがあるように、割烹の流儀を持ち込む居酒屋の素晴らしさは言うまでもない。ここでも里芋を使ったあんかけ饅頭がある。天ぷらもなかなか。すべて値段以上の味だが、特筆すべきは朝引き鶏のたたき。これはマストだ。息子さん、どちらかの和食店で修行されていたんだろう。
しかし、お父さんひとりでのんびりやってる時間帯もいいんだよなぁ。瓶ビール抜くときの音が素晴らしい。6時直前に行って、ざっかけないアテで飲みながら割烹メニューの御開帳を待つのが一番いいのかも。

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