2016.06.09

Hardcore

私は古着屋の娘です。

子供の頃、学校から帰ってきてベッドの上に父が倉庫から選んできてくれた服が置いてあるのを見つけると、とても嬉しかった。

中学生の頃だったか、高校生の頃だったか、服にプリントするのが父の中で流行ってたらしく、私のクローゼットから服が消えプリントが施されて戻ってくるということが多発した時期があった。

お気に入りのエスニックなチュニックや、TシャツなんかにブラックパンサーやらHardcoreという文字が刷られた。

正直、この服にはプリントして欲しくなかった…というのもあったけど、その殆どを私は気に入って、好んでよく着ていた。

父はハードコアだと思うけれど、私はハードコア、ではないよなあ。

ブラックパンサーって怖いけど、このパンサーの顔はちょっとまぬけだなあ。でも、このシリーズはとてもかっこいいなあ。だってパパがつくってくれた世界でたった一枚の服だもんなあ。

と子供の私は袖を通すたびにそんなことを考えていた。

 

それから18年ほどが過ぎ、

去年、私がDEPTを復活させるにあたって、このHardcoreシリーズは必ず復刻したいと思っていたので、

このヨーロッパの赤い(もとはサッカー用)Tシャツに版を再び作りプリントした。

いつも先をみつめてる父は、過去と同じことをするのは喜んでいなかったかもしれないけど、

私は父が、ベッドに置いてくれた服を、プリントしてくれた服を、見つけた時の嬉しい気持ちをこれを見るたびに思い出せてとても満足している。

 

 

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